『ユニバーサルサービス』の定義
私たちは、ユニバーサルデザインの概念『年齢、性別、身体的状況、国籍、言語、知識や経験などの違いにかかわりなく、すべての人にとってできるだけ広い領域で利用しやすいものを設計する。』のうち、サービス(人的対応能力)に活かされる領域をユニバーサルサービスと位置付けています。
ユニバーサルサービスは、「心のユニバーサルデザイン」「心のバリアフリー」と言い換えられ、そこには、あらかじめ「すべての人」を想定しサービスを提供していく意識が求められます。
そして、ユニバーサルサービスの実践には、サービスの提供者側の都合ばかりを優先するのでなく、サービスの受け手の立場に立って考えることが欠かせません。
個々の違いを認め合い、互いを尊重するユニバーサルサービスの普及がもたらすのは、すべての人にやさしい社会であるはずです。
これからは少子高齢社会のインフラとなるように
少子高齢社会においてユニバーサルサービスが求められています
今後さらに広がる少子高齢社会において、誰しも避けて通れないということに加えて、市場や生活環境もシニア層を無視してはいられない状況であることは間違いありません。
また、SDGs の17の目標や障害者差別解消法、障害者雇用促進法といった社会的要請に応えるためにも高齢者や障がい者など多様性を前提とした環境の整備や対応力の育成が欠かせません。
少子高齢化に伴い、これからはより一層、あらゆるサービス業に携わる人々が業務上、高齢者・障がい者と接する場面が多くなることでしょう。
私たちは、研修や講習会で高齢者の疑似体験・車いす体験・ガイドヘルプ体験などをプログラムに盛り込むことがソフト面の充実に役立つと考えています。
頭では分かっていても、実践につながらない知識であってはいけません。ハード面がいかに充実した社会になろうとも、そこには必ず人間が介在するのです。その場に応じた対応力や多様な身体機能に対して公平なサービスが提供できる人材の育成に疑似体験が役立ちます。
これからの少子高齢社会に対応するため、また、多くの体験者が高齢者疑似体験の重要性を認めている現状を踏まえ、少しでも多くこうしたプログラムのための活動を推進していきたいと考えています。