ユニバーサルサービスの概念

“すべての人のためのサービス”、“心のユニバーサルデザイン”

 すべての人々に満足と喜びを提供できるユニバーサルな環境整備が必要です。例えば、接客業の場合などは、少子高齢社会では顧客の多様化への対応が死活問題となっています。POSデータで把握できる平均的な顧客だけを追い求める効率重視の顧客満足(CS)の手法では、今後のマーケットに対応できません。
 私達の社会が『ノーマライゼーション』や『ユニバーサルデザイン』に象徴されるように、年齢・性別・国籍・障害の有無を越えて互いの違いを認め合い、尊重し共生する時代に入ったと言われています。ちょっとした支え合いや心配りの『気づき』が社会に潤いをもたらす源となるのです。
 ユニバーサルサービスは、あらゆる自治体の窓口や公共機関、店舗、企業の受付などで必要となるものです。“すべての人のためのサービス”、“心のユニバーサルデザイン”と言えば分かりやすいでしょう。
 物質的に満たされた現代の人々は、より安全で健康な生活を求める方向へシフトしつつあります。また、モノよりもサービスを大切にする傾向が強まり、企業や自治体も人間性や環境を重視するようになりました。このような社会背景のもとで、お客様やご利用者の方から満足や信頼をいただけるためには、対人サービスの質を高め、体系的な人材育成教育に取り組む必要があります。
 あらゆるサービス接点における人的対応能力を養成するには、サービスを提供する側の都合やルールを優先したマニュアル通りの対応ではなく、各人の状況を鑑みサポートしていく、より人間的なヒューマンコンタクトのあり方がクローズアップされるでしょう。
 しかし、高齢者や身体の不自由な方が、常にサポートを必要としているわけではありません。できないことの手伝いをしてほしいという要望があってはじめて、このサービスが活かされます。あくまで当人の自尊心を大切に、過剰なサポートは避けたいものです。そのためには、当人の本心を尋ねる「声かけ」をすることが、アプローチの第一歩となります。
 また、ユニバーサルサービスを実践する上で、欠かせないのが、マインドスキルといわれる4つのスキルです。

  1. 受容(受け入れる心)
  2. 共感(感じる心)
  3. 傾聴(心で聴く)
  4. 意識的観察(心を察する、気づきの能力)
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