クロックポジションのイラスト

クロックポジションを覚えよう

視覚障害者に目の前の状況を説明するときに、とっても有効なのがクロックポジションです。クロックポジションは、どこに何があるのかを時計の短針にたとえて知らせる手段です。テーブルの上のものやお皿の上の料理の位置などを説明するときに、水平に時計の文字盤を置いたかたちを頭に描いて伝えます。
 手前が六時、右方向が三時です。この知識をもっていれば、たとえば「一時の方向にサラダがあります。三時の方向にビールがあります。その左に、おちょこがあります」といったように、テーブルのどこに何があるのかを伝えることができるのです。
 しかし、あえてクロックポジションを使わなくても、「もう少し上」、「20センチ左」など、臨機応変に対応するのも大切です。その場の状況をいっしょに楽しむのが一番重要です。
 さて、視覚障害者といっしょに出かけたり、遊びに行ったりするときには、どのようにサポートするのがよいでしょうか。相手の習慣やそのときの希望によってサポートの方法は異なってきますが、ここでは一般的に言えることを記述します。

誘導の仕方

 困っている人を見かけたら、まずは、「お手伝いしましょうか?」、「腕をお貸ししましょうか」などと声をかけます。次に、相手の半歩手前、白杖を持っていない側に立ちます。身長差などによって異なりますが、一般的には、肩や肘、相手が子どもであれば手首の近くなどに相手の手をもってきて、つかまってもらいます。どこをもつか本人の意思にまかすのがよいでしょう。
狭い通路のイラスト
 サポートするときは、その人の半歩前を歩くようにします。その理由は半歩先を歩いていれば、(たとえば階段)段差を上ったり下ったりするときに、その動きを、視覚障害者が事前に身体の動きで察知できるからです。
 狭いところを通るときは、「通路が狭くなります」と伝え、サポートする人がつかんでいる腕を自分の背中にまわして、前後に並んで歩きます。サポートする人は横向きなどにならず、常に身体は進行方向に向くように歩きます。狭い場所を通過し終わったら、腕の位置を元に戻します。
 歩く際は「しばらくまっすぐ歩きます」、「信号なのでとまります」、「右に曲がります」など、適宜「声かけ」をすることで、道や周囲の状況を伝えます。
 歩くスピードは、相手に適当かどうか確かめ、その人の望む速さでサポートすることが大切です。人により歩くスピードはさまざまですし、高齢でゆっくりとしか歩けない人、呼吸障害のある人などもいるからです。

 

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