盲導犬のイラスト1

盲導犬ってどんな犬

盲導犬はとは、視覚障害者の「目」として、白か黄色のハーネス(ハンドル付きの胴輪)を付けて、視覚障害者が安全かつスムーズに行動できるようサポートする犬のことです。ハーネスを付けているときは、仕事中であることを盲導犬自身が自覚するよう訓練されています。交差点で止まったり、電柱や看板、障害物、停めてある自転車などをよけたりします。また、段差では止まり、主人の指示に従いドアや椅子などに誘導します。盲導犬が順路を知っていて、視覚障害者を連れていってくれると思っている人が多いのですが、そうではありません。ユーザーが目的地を決めて指示すると、それに従って誘導するのです。
 当然の事ながら盲導犬は、ペットではありません。視覚障害者が安全に歩行できるよう補助する大切なパートナーなのです。

盲導犬のイラスト2

盲導犬のユーザーにききました。

 清家育代さんは一児の母で、盲導犬モリスをパートナーにしています。盲導犬ユーザーになって日が浅い清家さんは、周囲の人に知っておいてほしいことを次のように話しています。
 「盲導犬に出会ったとき、『触らない』、『呼びかけない』、『食べ物を与えない』、これを守ってください。でも犬好きの人なら、思わず手が出てしまう気持ちはわかります。『やっちゃいけない』ばかりが先に立ち、『どうしてだめなのか』が抜けているような気はします」
 一番困るのは、モリスの名前をたずねられ、答えたとたんに呼びかけられることだそうです。名前は絶対に呼ばないでください。
 なんらかの事情で、盲導犬連れの人にサポートを頼まれた際は、ハーネスを持っている手の反対側の半歩前の位置に立ち、空いている手で自分の肩や腕などをつかんでもらいます。階段やエスカレーターの前ではいったん止まり、「上がります(下がります)」と伝えます。盲導犬は主人の左側か足元で待機するので、椅子などに座るときは、盲導犬が足元にダウン(伏せ)ができるような場所に誘導しましょう。
 レストランなどで「店内に犬を入れないで欲しい」というクレームがあった場合は、盲導犬はパートナーであり、法律でも同伴の受け入れが義務になったことを店員や周囲の人に伝えましょう。

(参考)身体障害者補助犬法とは

 障害がある人の日常生活をサポートする犬を身体障害者補助犬といいますが、盲導犬のほかに聴導犬と介助犬がいます。
 平成14年10月から「身体障害者補助犬法」が施行されました。平成15年10月からは、飲食店やスーパー、コンビニ、ホテル、デパートなど不特定多数が利用する場所では受け入れを義務付けられ、身体障害者補助犬の同伴を拒否することができなくなりました。
 介助犬は手足の不自由な人のために落とし物を取ったり、ドアの開閉、車椅子の乗り降りなどをサポートします。電車やバスの乗車許可証の入った上着などを着ています。
 聴導犬は、聴覚障害者の耳として、玄関の呼び鈴やブザーの音、電話の呼び出し、店のスタッフが聴覚障害のお客さまに呼びかけた声などを聞き分け、必要な情報を主人に伝えます。災害や危険から聴覚障害者を守る役割ももっています。黄色かオレンジの上着をつけています。

 

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